新日本誕生を見て

ドラえもん映画

最高だった。

20世紀と21世紀。
この1世紀の差をみせつけられた思いだ。
この、1世紀の差で負けたって言い回しは、原作漫画には出てくるが、旧作には出てこない。
新作は、原作漫画に忠実。それがドラえもんの新作映画。
この新日本誕生は、旧作と原作漫画、その両方をこえている。

他の新作は、完成された旧作を改変したり、変な設定を付け加えたり、物の見事に作品自体を破壊してくれていた。
新しく作るからには、何か手を加えないと、って余計な事をしてきた。

日本誕生は、10作目の節目であり、集大成でもある。
次のアニマル惑星見れば分かる通り、出来るネタはこの10作目でやり尽くした。
そんな作品を、魔改造しかしない新作に、加えてほしくはなかった。

しかし、この新日本誕生は違った。
完成された旧作でも、ここをこうすれば良くなるんじゃないか?
そんな気遣いを感じさせるリメイクだった。

この新日本誕生にも、冒頭でのび太が怒られて情けない表情にする描写はあった。
でも、魔界大冒険ほど、不快ではない。
空想三匹との別れのシーンも、ちとクドい泣き顔シーンだった。
でも、恐竜ほど、不快ではない。

どちらのシーンも作品中に、必要最低限の描写に留めている。

そして、この作品の出発点は家出。
この事を最後まで一貫させていた。

雪山遭難時の、パパママ妄想。
これも、家出して一人で生きていくんでしょ。
って家出にからめていた。
次の、寝たら死ぬぞ裁判。
これも家出に対する後悔というか、自責というか、しっかり家出にからめていた。

とは言っても、ここで私が思ってた事は、これだった。
あれ?タイムパトロールどうした?
いつ出てくんだよ?
のび太死んじゃうぞ?

この、寝たら死ぬ状況から目を覚まし、とある行動で助かるのだが、…
これはちょっと都合良すぎないか?と思った。
一度寝たら、二度と目覚める事のない状況。
助かるのが奇跡すぎる。
タイムパトロール、早く来てくれぇ!

来たのは、空想三匹だった。
これで助かるとは思えなかったが、私が思うほど寒さは厳しくなかったのだろう。
エアコンスーツも機能してる事だし。かろうじてだが。
タイムパトロール不在で、どう終わらせるのかが気になりだした。

ギガゾンビとは、ドラえもん達が勝負した。
1世紀の差なんて、みんなが一緒なら乗り越えられる!
偽物が本物にかなうはずがない!

旧作には無かったこの展開。
宇宙開拓史のような、おかしな展開ではない。
取って付けた様な展開ではなく、自然な流れだった。
描写の無かったヒカリ族の解放。
これをのび太がどうやったのかは、気になる所だが。

ギガゾンビが観念したところで、タイムパトロール登場。
で、このタイムパトロール、髭の隊長さんではなかった。
美人なお姉さんだった。
このキャラで、タイムパトロールのアニメがあるんじゃないか?
そのアニメからゲスト出演じゃないか?
そんなキャラデザインだった。

終わりの歌の所でも、家出のテーマにしっかり即していた。
ジャイアンは店の手伝い。
スネ夫は英語フランス語中国語の家庭教師。
しずかちゃんはピアノの発表会。
どれも今回の家出の原因だ。
これには、ちょっとどうなのかなとも思った。
その後の冒険で、成長した。子供が大人になっていく。
そんな描写なんだろうが、なんかしっくりこない。
これは、旧作時から私が成長していないから、かもしれない。
いや、スネ夫としずかちゃんは、いい。
でもジャイアンは、かあちゃんからなんらかの譲歩は、必要だろう。

のび太も、テストの復習をしていた。

で、この新作は家出をテーマに最初から最後まで、やりきった感じだ。
ママも家出したのび太に対し、自分の行為を省みるようなそぶりがあった。
旧作では、のび太が家出した事にも気付いてなかった感じなのに。

旧作見ていた世代が親となり、親としての目線も、入れられるようになった。
それがこの作品に、さらなる深みを持たせた。
作り手の三十年の思いを熟成させた、そんな作品。
って、この新作、いつ公開だったっけ?
リメイクはこうあって欲しい。
そう思わせる、素晴らしい作品でした。

あと、今回の冒険に出てきた秘密道具の数々。
ドラえもんはこれらに、幾らかけたのかは、気になった。
22世紀の平均手作り月収は、軽くこえてそう。

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